短い時間パルスの電磁波をかけて電子の磁気モーメントの向きを変えて生じた信号を観測する方法.NMRの分野で最初にHahnが電子スピンエコーを含むパルス法を考案してまもなく, EPRでもMimsらにより考案された. NMRとの違いは周波数が高く,幅が広いことで, dead time (受信不能時間)内に信号が隠れるためスピンエコーしか観測できないが,現在は*ホールバーニング(穴堀)法などでFID (free induction decay)も観測可能である.原理はまったくNMRと同じで,高周波磁場をパルス的にかけ,回転座標系で磁気モーメントを回転させる.回転角はgβH1t=90度, 180度などで,磁場の振幅H1とパルス幅tによって決まる.T1観測においても磁気モーメントを180度で倒した後, FIDが出ないので90度, 180度でスピンエコーを観測する.光合成系ではESEEMやELDORパルスENDOR法が利用されている.