エネルギー充足率ともいい,次式で定義される.
エネルギー充足率=1/2×([ADP]+2[ATP])/ ([AMP]+[ADP]+[ATP])
細胞内では,ミトコンドリアなどでATPが合成され供給されるのと同時に,ATP加水分解活性をもった酵素がこれを分解しながら,様々な反応を進行させている.また,アデニンヌクレオチドは,ATPとADPの間だけを行き来しているわけではなく,酵素によってAMPに変換されたり,アデニレートキナーゼによってAMPとATPから2分子のADPに変換されるなど,様々である.このような細胞内のアデニレート分子種がATPによってどのくらい充足されているかを示す係数としてエネルギーチャージが定義された.上式の定義に従えば,系の中のアデニレートがすべてATPのときが充足率1,すべてAMPのときが0である.実際に測定された細胞内の充足率は0.85前後である.アデニレートプールのエネルギーチャージということもある.