LB膜(ラングミュア-ブロシェット膜)[LB film (Langmuir-Blodgett film)]

  水面上に展開した単分子膜を基板上に移しとって積層した分子膜で,累積膜とも呼ぶ.LB膜は,清浄な水面上に両親媒性分子を溶かした揮発性有機溶媒を滴下し,有機溶媒が揮発した段階で水面を圧縮して凝縮膜とし,これを基板上に繰り返し移しとる方法で作製する.この方法は,ラングミュア-ブロシェット法(LB法)または単にブロシェット法と呼ばれ,専用の装置も市販されている.基板に移しとる方法に,垂直浸漬法や水平付着法などがある.LB膜になる分子は,水面上で単分子膜を形成することが必要で,両親媒性分子が多いが,それ以外の分子も用いられることがある.両親媒性分子に疎水性分子を混合したものや高分子を複合化したLB膜も知られている.すべての疎水基が基盤側を向いたLB膜をX膜,逆に親水基が基板側に向いたLB膜をZ膜と呼ぶ.親水基と疎水基が各層交互に基板側に向いたものをY膜と呼ぶ.LB膜は励起エネルギー移動や電子移動の場としても用いられる.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:43