HLIP

 HLIP high-light-inducible protein の略.シアノバクテリア(藍藻)から高等植物まで広く存在するLhcスーパーファミリーに属する1回膜貫通型のチラコイド膜タンパク質.高等植物のものはOHP(one helix protein)と呼ばれることもある.集光アンテナとして働くのではなく光ストレス下でストレス緩和に貢献していると考えられている.  シアノバクテリアはLhc関連遺伝子としてはHLIPのみを持つが、これが高等植物のLHCPELIP、PSBS (psbS)、SEP (STRESS-ENHANCED PROTEIN)、OHP(ONE HELIX PROTEIN)、フェロキレターゼをメンバーに持つLhcスーパファミリー(シロイヌナズナでは〜30遺伝子が含まれる)の祖先であると考えられている.*Lhcスーパファミリー生成のシナリオとしては、HLIPがドメイン重複及び欠損を経て、2/4/3回膜貫通型のメンバーが出現した、というものである.さらに、もとの機能とは逆に集光アンテナとしての機能を新たに獲得するものが現れ、出現したアンテナ遺伝子はさらに遺伝子重複と機能分化を行い、多様なアンテナ遺伝子群が出現した、とも考えられている.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:35