A-Ci曲線[A-Ci curve]

 光合成速度A (assimilation)と葉内二酸化炭素濃度Ci (intercellular CO2 concentration)との関係を示した曲線.光合成のCO2応答を測定し,A-Ci曲線を解析することによって,気孔開度が光合成速度に及ぼす影響(Farquhar & Sharkey 1985)や葉の最大光合成能力(活性)と環境条件との関係を知ることができる.また,ファーカーのモデルを用いたA-Ci曲線解析から,光合成の律速要因を1) RuBPカルボキシラーゼ活性,2) RuBP再生産能力,3)リン酸再利用活性に分けて解析することが可能である.近年では,A-Ci曲線解析から葉緑体内のCO2濃度や葉肉抵抗を評価する方法も提案されている (Sharkey et al. 2007).
 A-Ci曲線の測定法は研究者によって様々である.まず生育CO2濃度(例:400ppm)における光合成速度と気孔コンダクタンスを測定する.次にCO2濃度を変えるが,高いCO2濃度から下げていく方法と低いCO2濃度から上げていく方法の2通りある.どちらの方法でもデータは取得できるが,CO2濃度が高いほど気孔コンダクタンスは低下する傾向にあること,一方で,CO2濃度が低い条件で強光が当たると光阻害が起きやすいことなどを考慮することも必要となる.高いCO2濃度で気孔が閉じやすい葉を材料にする場合には,低濃度から測定するのが良い.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:39