圃場容水量[field capacity]

  土壌が降雨や灌漑によって十分に湿ったあと数日すると,重力水の下層への排水の速度が非常に遅くなって含水量が比較的安定する.土壌の圃場容水量はこのときの含水量として表される.圃場容水量は真の平衡値ではなく,単に水の動きが遅くなって,測定される含水量が大きく変化しなくなった状態にすぎず,物理上はあいまいさが残るが,実用上は便利な概念であり,土壌の有効水を決めるときの上限値となる.実際には,降雨あるいは灌漑後,土壌の種類に応じて1~3日間表面からの蒸発を抑えながら排水して土壌の含水量を測定する.圃場容水量に対応する土壌の水ポテンシャル(マトリックポテンシャル)は研究者によって3~30 kPa まで異なるが,わが国では6 kPaを用いることが多い.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:35