単粒子解析[single particle analysis]

  透過型電子顕微鏡で得た撮影像を画像処理することで,粒子の詳細構造を得る手法.画像の平均化によって,単一の撮影像よりも詳細な構造を求めることができる.また,さまざまな角度から撮影した像を統合することで,立体構造を推定することができる.サンプルとしては負染色したものと凍結したものを解析できる.前者はコントラストが高いので簡便に結果を得られるが,解像度にやや劣る.後者はこの逆になる.サンプル量は少量でも可能であり,目的粒子の識別が容易であれば,不純物を含んだり,複数の構造をとるものでも解析できる.解像度は粒子に依存するが,光化学系複合体とアンテナタンパク質の超複合体では,10〜20Å程度が多い.超複合体の解析の場合は,個別のタンパク質の結晶構造と重ね合わせることで,その詳細な構造を推定できる.こうした手法を組み合わせることで,不安定な超複合体の構造を推定したり、ステート遷移などで構造の変化を推定したりできる.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:05