ベンケイソウやサボテンなどの多肉植物はCAM型代謝を行う.ベンケイソウ科(Crassulaceae)の植物を用いて,その炭素同化の様式が明らかにされたことからベンケイソウ型有機酸代謝(Crassulacean acid metabo-lism略してCAM)の名称が使われている. ベンケイソウ科にはマンネングサ属(Sedum),クラッスラ属((Crassula),カランコエ属(Kalanchoё)などがある.ベンケイソウ科やツルナ科,サボテン科,ラン科,パイナップル科など幅広い分類群に多くのCAM植物がみられる.
CAM植物は水利用効率が高く,年間の降雨量がわずかで強光にさらされるような厳しい環境にも耐えられる形態や組織をもつものも多く,球形や,茎に葉緑体をもち水分が蒸発しやすい葉をもたないもの,強光を避けるために地中にもぐり,地表に露出した部分に集光機能をもつものなど,多様な形態が知られている.