シトクロムb6f複合体とも呼ばれ,2つのb型ヘムを含むシトクロムb6サブユニット,リスケ鉄硫黄クラスター,シトクロムfおよび2つのプラストキノン結合部位から成る.光化学系Ⅱからの電子,あるいは光化学系Ⅰの循環的電子伝達系からの電子で還元されたプラストキノール(二電子還元され,2つのH+を結合したプラストキノン)の還元力をプラストシアニンやシトクロムc6に流し,膜を介したプロトン輸送を行う.キノンの2電子の1つをリスケ鉄硫黄クラスター,シトクロムfを介してチラコイド膜内側のプラストシアニンに渡し,もう1つをヘムbL→ヘムbH→酸化型プラストキノンという膜外側への電子伝達で使う.細菌やミトコンドリアのシトクロムbc1複合体もほぼ同じ機能をもつ.