シトクロムc550[cytochrome c550]

  1分子のヘムcをもつC型シトクロムで,非常に低い酸化還元電位(Eo'=-260 mV)をもつ.シトクロムc549とも呼ぶ.分子量約1.5万.シアノバクテリア紅藻に広く分布するが,緑藻や高等植物には見つかっていない.光化学系Ⅱ複合体のチラコイド内腔側に結合している水溶性タンパク質.塩処理などにより可逆的に光化学系Ⅱ複合体より遊離する.マンガンクラスターの結合には関与していない.他の光化学系Ⅱ表在性タンパク質(シアノバクテリアの場合は12 kDa タンパク質,紅藻の場合は20, 12kDaタンパク質)とともに酸素発生活性に必須のカルシウム塩素の保持に関与していると考えられている.高等植物や緑藻の24 (23) kDaタンパク質18(16) kDaタンパク質との機能的類似性が指摘されているが,アミノ酸配列間のホモロジーはない.ヘムcの役割は不明.紅藻(シアニジウム)などでは遺伝子(psbV)は葉緑体ゲノムにある.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:42