EC: 2.5.1.62.クロロフィリドaにフィトールを付加してクロロフィルaを生成する反応を触媒する酵素.分子量約35 kDの単一ポリペプチド酵素.フィトールの供与体としてフィチル二リン酸またはゲラニルゲラニル二リン酸を基質とする.ゲラニルゲラニル基が付加されたクロロフィルa(Chl aGG)が,クロロフィルa生合成中間体として検出されることがあることから,ゲラニルゲラニル二リン酸を取り込む反応も生体内で起こっていると推察される.シロイヌナズナで集光性クロロフィルa/bタンパク質の一つとの相互作用が報告され,光化学系構築過程への関わりが示唆されている.バクテリオクロロフィルの生合成系においても,クロロフィルシンターゼと類似性を示すバクテリオクロロフィルシンターゼが,バクテリオクロロフィルa生合成の最終段階を担う.クロロフィルシンターゼはchlG遺伝子,バクテリオクロロフィルシンターゼはbchG遺伝子にコードされ,各々ChlG,BchGと呼ばれる.どちらの酵素もゲラニルゲラニル二リン酸を基質とする一方,クロロフィリドaとバクテリオクロロフィリドaは厳密に区別しており互換性は見られない.