アンモニアの輸送[ammonium transport]

  アンモニアガスとアンモニウムイオンは平衡状態にあり,生体あるいは根圏のpHである弱酸性から中性域では,ほとんどがイオンの形態で存在する.したがって,生体膜を自由に横切ることはできず,根圏からの吸収,細胞間での輸送,細胞内オルガネラ間での輸送にはアンモニウムイオンの輸送担体が必要である.動力学的な吸収実験から,アンモニウムイオンに高親和性な輸送担体と低親和性担体の2種類が存在していることが示唆されていた. 1994年以来,酵母変異体の機能相補研究から,シロイヌナズナ・トマト・イネから相次いでアンモニウムイオン輸送担体(AMT)遺伝子が同定され,小遺伝子族を形成していることがわかった.これらは9~12の推定膜貫通領域をもつ膜タンパク質と考えられているが,それぞれの機能は現在も研究中である.最近,地上部での発現が高いAMTもシロイヌナズナやイネで見いだされている.


トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:09