#freeze
*光化学系Ⅰアクセサリークロロフィル'''a'''[PSI accessary chlorophyll '''a'''] [#oeae7faf]
電子伝達鎖上ではAと略称される.光合成の[[初期電荷分離反応]]は[[一次電子供与体]]と[[一次電子受容体]]の間で起こるが,この2つの分子の間に電荷分離の仲介役をするクロロフィル分子が位置している.これを一般にアクセサリークロロフィルと呼び,光化学系Ⅰ,Ⅱ,光合成細菌の反応中心などすべての反応中心に共通して存在している.光化学系Ⅰでは,電子伝達体配列の中心軸([[P700]]とF&subsc(X);を結ぶ軸)に対して対称的な位置に2分子のクロロフィル'''a'''がP700とA&subsc(0);の間に存在しており,これが光化学系Ⅰアクセサリークロロフィルと呼ばれている.各々のMg原子は水分子と配位結合しており,この水分子はPsaAまたはPsaBのアスパラギンと水素結合している.AとA&subsc(0);のクロリン環はほぼ平行しており,クロリン環の最短距離は3.8Åであることから,Aの分光学的性質はA&subsc(0);とよく似ていると推定される. P700からの電子がAを経てA&subsc(0);に伝達されるとのはっきりした証拠はまだないが, P700における[[初期電荷分離反応]]が0.8ピコ秒で起こるとの結果が近年報告され,これはP700とAの間での電荷分離速度と推定されている.
** 関連項目 [#if72ced0]
-[[光化学系Ⅰ一次電子供与体]]
-[[光化学系Ⅰ一次電子受容体]]