#freeze
*乾生形態[xeromorphism]
乾燥環境下で生育する植物で,[[水ストレス]]が原因となって発現する形態.葉では表面積の縮小や針状化,気孔の陥没,クチクラ層の肥厚,高密度の柔毛,多量ロウ分泌などがあげられ,これらによって[[蒸散速度]]を抑制する効果がある.[[葉肉細胞]]の小型化と[[柵状組織]]の発達による[[細胞間隙]]の縮少によって,葉内での水分供給を効率化するような形態も見られる.また根の発達が著しくなり,[[土壌水分]]を吸収しやすくなる.根系は土壌表面近くに広く細根を張って,降雨を速やかに吸収する浅根タイプ,太い直根を地中深く,種によっては数メートル下の地下水面にまで降ろして,持続的に土壌水や地下水を吸収する深根夕イプがある.こうした乾生形態の発現の結果,光合成産物はより根系に多く投資されて[[シュート/ルート比]]が減少する.各器官で貯水組織が発達して多肉化し,水分を蓄える場合もある.乾燥・半乾燥地帯に分布する[[乾生植物]]は,これらの乾生形態の多くを有する.