#freeze
*アロフィコシアニン[allophycocyanin] [#mdcf38ea]
シアノバクテリアと紅藻がもつ[[フィコビリン]]タンパク質の一種で,[[フィコビリソームコア構造]]の主成分である.分子量1.6万~1.9万の2種のサブユニットα,βに,発色団フィコシアノビリンが1分子ずつ共有結合している.機能単位となる三量体(α&supsc(APC);-β&supsc(APC);)&subsc(3);では,単量体にはない650 nm の吸収極大(600nmの肩)と660 nm 付近の蛍光極大が現れ,さらにリンカータンパク質(L&subsc(C);またはコアリンカータンパク質ともいう)との結合により長波長シフトする.アロフィコシアニン-B (α&supsc(APCB);)やβ&supsc(16.5);はアミノ酸配列と分光特性が若干異なるサブユニットで,励起エネルギー移動に重要な役割をもつ.[[アンカータンパク質]]は,フィコビリソームコアのチラコイド膜への結合と光化学系Ⅱ反応中心のクロロフィル'''a'''へのエネルギー移動を担っている.アロフィコシアニンの結晶構造はプロテインデータバンクに登録されている(1B33).